雑種地の活用

◆雑種地での太陽光発電

雑種地が持つデメリットは固定資産税が負担になりやすいということです。
というのも雑種地の地目に指定される土地の多くは宅地レベルの課税をされているのが現状だからです。
固定資産税の負担を減らし、収益をあげるために雑種地で太陽光発電をする方は多くいます。
特に増えているのは閉鎖したゴルフ場を太陽光発電所として使うケースです。
首都圏ではバブル期にゴルフ場が数多く存在しましたが、バブル崩壊とともに経営不振に陥り、最終的に雑種地となったゴルフ場跡も多くあります。
ゴルフ場となるとかなりの広さを持っているため、メガソーラーの誘致にも十分適しています。
大規模なソーラーシステム誘致とソーラーシステムへの投資を行う業者なども存在します。

今までは雑種地として固定資産税を払うだけの土地だったものが、太陽光発電によって収益をあげる土地に変わるのです。
雑種地を太陽光発電の用地として利用するにはいくつかの許可や書類提出が必要な場合があります。
例えば雑種地が市街化調整区域、宅地造成工事規制区域にある場合は工事の許可を受けます。
その他に、敷地内に森林を有しているが太陽光発電設置のために森林を伐採するなら林地開発許可申請書等の提出が必要です。

◆林地開発許可制度とは?

雑種地に太陽光発電を導入するときに、雑種地内にある森林を伐採するには林地開発許可申請書などを出して、林地の開発許可を受けなければなりません。
簡単に言えば、勝手に林地を開発してはいけないということです。
この林地開発許可制度の対象となっているのは1ha(ヘクタール)以上の森林です。

林地開発許可制度が生まれた背景には、森林が生活の安定や公共的利益を持つものという考え方があります。
例えば山の上からの土砂崩れを森林が防いでくれたり、水源の水質、水量をよい状態に保つ働きが森林にはあります。
大きな森林は、それそのものが地域を支えているため行政が定めた適切な制度にのっとった開発が必要なのです。
そのための精度が林地開発許可制度です。

林地開発許可制度を取り仕切っているのは農林水産省で、書類等の申請先は都道府県知事です。
都道府県知事が、太陽光発電を導入する雑種地が以下の問題に当らないと判断すれば林地開発の許可が下ります。
なお、林地開発許可制度の対象(1ha)以下の森林は伐採届出書の提出で森林伐採を行えます。

林地開発許可が下りない例(これに当たらなければ林地開発許可が下ります)

  • 開発行為によって森林周辺地域の土砂流出や崩壊、自然災害を発生させる恐れがある
  • 開発行為によって地域における水害が発生する恐れがある
  • 森林の水源涵養機能が低下し、地域の水源確保に支障が出る
    (水源涵養機能とは水源の水質、水量をよりよい状態に保つ機能)
  • 開発行為によって森林周辺地域の環境を悪化させる恐れがある

◆林地開発許可申請をするには

雑種地を太陽光発電システム設置に使う場合などで、1ha以上の森林を伐採するなら林地開発許可申請を行わなければなりません。
林地開発許可書という書類を提出したうえで現地調査、関係者の意見聴取が行われます。
意見聴取と現地調査の結果、特に問題がないと判断されれば実際に森林伐採を行います。

市街化調整区域内に雑種地がある場合

地というのはどこにでも広がってよいわけではありません。
無秩序に市街地が広がることを防止するために設けられているのが市街化調整区域という場所です。
逆に市街地を積極的に形成する地域を市街化区域と呼びます。
林地を含む土地の中には市街化調整区域に含まれる土地も多いです。

市街化調整区域に何らかの建築物を作るためには都道府県知事や当該指定都市等の長の許可が必要です。
建築目的で土地の区画形質が変わる、ということは市街化調整区域では制限を受けているからです。

太陽光発電を市街化調整区域内の土地に設置する場合、基本としては開発許可書を提出しなくてもOKです。
というのも建築基準法に照らし合わせてみると太陽光発電はほかの建築物とは異なり、屋内用途で常に人が出入りする施設ではありません。

そのため、建築物とはみなさず、書類提出も必要ないのです。
太陽光発電のためには欠かせないパワーコンディショナについても建築物扱いではなく、これらの見解は公式に発表されています。
ただし例外的にキュービクルなどについてはそれぞれの地域によって判断が異なります。
そのため、どのようなシステム(周辺施設含む)が市街化調整区域内での『建築物』に当たるのかを事前に確認した方がよいです。

宅地造成工事規制区域内に雑種地がある場合

宅地を造成した場合に災害が起きる可能性が高い土地を含む区域を守るために、宅地造成工事規制区域というものがあります。
太陽光発電設置予定の雑種地が宅地造成工事規制区域内にある場合には、以下の条件での切土、盛土を行う際に宅地造成に関する工事の許可を受けなければなりません。
許可を受ける宅地造成工事は以下の条件のうち1つでも当てはまるものがある場合です。

  • 切土部で2mを超える崖を生ずるもの
  • 盛土部で1mを超える崖を生ずるもの
  • 切土と盛土を行う場合で、2mを超える崖を生ずるもの
  • 切土又は盛土をする場合で、その土地の面積が500平方メートルを超えるもの

例外的に、都市計画法第二十九条第一項・第二項によってすでに開発許可を受けている場合は、この許可申請又は届出は不要となっています。

雑種地への太陽光発電設置のまとめ

  • 高額な固定資産税の一部を太陽光発電の全量買取制度を利用した収益でまかなえる可能性が高い
  • 雑種地内に森林があり、森林を1ha以上伐採する場合には林地開発許可申請書等を提出し、許可を受ける必要がある
  • 市街化調整区域内に対象雑種地がある場合は、一部の施設を建築物とみなすか否かの確認が必要なので、役所に相談を
  • 太陽光発電システム自体は建築物ではないが、キュービクルの大きさ等によってキュービクルが建築物扱いになるケースも。市街化調整区域内に設置するなら事前にキュービクル等に関する相談を
  • 宅地造成工事規制区域内に対象雑種地がある場合は、一部の切土や盛土を利用する場合で尚且つ開発許可を受けていない場合は宅地造成に関する工事許可が必要