山林の活用

◆山林での太陽光発電

地目が山林となっている土地で太陽光発電をする際に最も注意しなければならないのが『近辺に電力需要があるか』ということです。
太陽光発電の用地が多い、人がたくさん暮らしている場所であれば、接続量制限などはないのが普通です。
一方で、山林地帯で電力需要が少ない場合などには、接続量の制限・連携自体の拒否といったケースも考えられるのです。
そのため、地目が山林の地域で太陽光発電をする時には接続量及び連携についてどうなっているかを電力会社と事前に相談してから工事を行わなければなりません。

接続や連携系統がOKな場合、山林に太陽光発電を設置し、活用するための次のステップに進んでいきます。
まずは伐採の許可を得るところからです。
いくら自分の土地とはいっても山林を勝手に伐採することは禁じられています。
というのも山林があることによって地域の水源涵養、土砂崩れ防止などの役に立っている可能性があるからです。
山林の伐採において重要なポイントとなるのが『伐採する土地が1ha以上か未満か』ということです。

まずは伐採する土地が1ha未満の場合ですが、こちらはそれほど難しい手続きは必要ありません。
伐採を始める90日前から30日前までの間に市町村に対して伐採届という書類を提出します。
一方で伐採する土地が1ha以上の場合には、林地開発許可を得なければなりません。
林地開発許可は都道府県知事に提出します。
また、山林の林地開発においては切った木をどのように処分するかも考えなければなりません。
切った木の処分費用も最初から費用に入れておきましょう。

また、固定資産の税制上は現況主義を第一としています。
もともと山林などの固定資産が格安なのは、資産価値が低いからですがそこに太陽光発電を設置できるとなれば資産価値が上がります。
そのため、太陽光発電を設置しただけで固定資産税が上がるという可能性も高いのです。

そのほかに、保安林の場合には指定要件で伐採後に植栽をしなければいけない、義務のある保安林があります。
それぞれの保安林によってどのような樹種に対して、どれくらいの伐採後植栽義務があるかは異なりますのでまずは地域の担当課に問い合わせてみてください。

市街化調整区域に土地がある場合

山林への太陽光発電設置において、対象となる山林が市街化調整区域内というケースもあります。
市街化調整区域とは無秩序な市街化を防ぐために、市街化を避ける目的で作られた区域のことです。
山林は基本的に人がたくさん住む、生活の基礎となる市街化扱いにはならず、そのほとんどが市街化調整区域となります。
市街化調整区域内では建築物及び特定工作物を建設するときに許可を受ける必要があります。

太陽光発電システムは一見してみると建築物のように見えますが、実は国土交通省等が発表している公式的な見解によれば『太陽光発電システム及びパワーコンディショナ収納用専用コンテナは建築物には当たらない』とのことです。
このことから、太陽光発電システムを設置し、活用するにしても建築物の建設のために必要な届け出はいらないということになります。

ただ、例外的にキュービクルの用途、規模によっては建築物扱いを受けるケースもあります。
それぞれの許可権者判断に任されているので、キュービクルの用途や規模が予測された時点での相談が必須と言えるでしょう。

宅地造成工事規制区域内に土地がある場合

地造成を行ってしまうと災害が起きるなど、地域の安定を乱す市街地や市街地予定の区域で、宅地造成工事を行おうとするなら許可が必要です。
太陽光発電システムを宅地造成工事規制区域内の土地・山林等に設置するときにも切土や盛土をするなら『宅地造成に関する工事の許可申請書』というものを提出して許可を得ない限りは不可能なのです。
例外的に都市計画法に定められた開発許可を受けていれば届出は必要ありません。
許可を受ける宅地造成工事には切土部2m以上の崖、盛土部1m以上の崖などがあります。

山林への太陽光発電設置のまとめ

  • 接続量制限や電源線の使用などを電力会社と事前相談
  • 当該保安林は伐採後の植栽が義務。所有山林が当該保安林か、植栽義務がどれくらいかを確認。保安林では指定解除が必要。
  • 1ha以上の山林伐採には林地開発許可が必要/1ha未満の場合は市町村への伐採届を提出
  • 太陽光発電システム自体は建築物ではないが、キュービクルの大きさ等によってキュービクルが建築物扱いになるケースも。市街化調整区域内に設置するなら事前にキュービクル等に関する相談を
  • 宅地造成工事規制区域内に山林が存在する場合、太陽光発電設置で切土や盛土をすときには許可が必要/1ha未満の場合は市町村への伐採届を提出
土地の地目 太陽光発電システム設置の特徴 太陽光発電の向き/不向き
雑種地 該当地目がない場所での太陽光発電は手続きがほとんどなく、土地の条件がよければスムーズに太陽光発電を導入できます。
原野 雑草などが生育する土地で、雑種地同様太陽光発電には向いていると言われることが多いです。
宅地 住宅用の土地での太陽光発電は法的な制限が少なく、雑種地や原野ほどではなくとも太陽光発電を導入しやすいです
(環境による)
山林 山林での太陽光発電はやや難しいと言われることもあります。
電力需要のない土地で行う場合や、広大な伐採を必要とするケースなどがあり、場合によっては費用が高額になる恐れも含んでいます。

(要提出)
田・畑 盛土等、太陽光発電導入の費用がやや高額になりやすいです。
また、農地転用許可を行わなければなりません。

(要提出)