日本初のバイオマス暖房マンションが北海道に
北海道・美唄市はかつては炭鉱の町と栄えていました。
現在、美唄市のある空知地区は北海道でも有数の豪雪地帯です。
ここで、雪の冷熱と木質バイオマスによる暖房を利用するマンションがあります。
厄介者の雪を利用する
美唄市は、冬に積もる雪の有効利用を1997年から始めました。
いまでは、雪冷熱の見本市と言われるほどになっています。
雪の冷熱利用としては、農産物貯蔵庫や老人ホームから個人の住宅まで様々実施されます。
その中で注目されたのが、市内のマンション「ウェストパレス」で、貯雪庫を設置して、夏まで保管した雪の冷熱を冷房に利用しました。
北海道は、これまで夏に冷房の必要性は少なかったのですが、近年は温暖化のため夏に冷房が必要な日もあります。
貯雪庫で溶けた冷水を熱交換して各部屋に冷熱を供給するシステムを採用しており、このシステムを利用すれば、温熱を各部屋に供給できます。
こうして木質ペレットによる暖房システムが誕生します。
日本初の雪冷熱、木質暖房マンション
雪冷熱の採用から遅れて採用されたのが木質暖房でした。
そのきっかけは、ブリケットというペレットを大きくした形の木質燃料でした。
おがくず粉を直径5~10cm程度の円柱状に圧縮したもので、ストーブで使うと燃焼時間が長く薪のように使えます。
マンション、ウエストヒルズでは1世帯あたり月5000円の定額性です。
この地域の暖房費は通常1万円から2万円となり、かなり格安に抑えられており、
セントラル暖房によるシステムは住民から高い評価を得ています。
雪の冷熱利用は、船による大量輸送で首都圏での活用も検討されています。
さらに木質バイオマスによる暖房は、厳寒地の北海道でも歓迎されているのであれば、自然エネルギー利用の冷暖房も可能となります。