地域との連携の仕方(北海道・鹿追町その2)

地域性を無視しては、バイオマス事業は成立しません。
事業を始めるにあたっては、地域とどう関連性を持たせるかが重要です。

乳牛の糞から一石三鳥

北海道十勝平野にある鹿追町は、農業生産額の50%以上を牛乳の原料となる生乳の生産が占めています。
そのため、乳牛が1300頭おり、そのふん尿も多く、2007年に「環境保全センター」を設立し、ふん尿によるバイオマス発電を始めました。

乳牛の写真

始めの4年間は、「電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法」の適用を受け、北海道電力に1kwh当たり7円で販売し、年間約700万円の収入を得ていました。

2013年からは、再生可能エネルギー電力固定買取制度(FIT)が始まり、1kwh当たり39円で売れるようになったため、年間6000万円と拡大しました。

名産品と観光資源

乗馬の写真

売電収入の増加に留まらず、環境保全センターでは発電の際に発生する熱を利用して、チョウザメ飼育によるキャビア生産、ハウスを温めてマンゴーを冬に出荷、の名産品の開発を進めています。

さらに、ふん尿利用には、もう一つのメリットがありました。
バイオガス発電は、ふん尿を発酵させメタンガスを発生させる過程で、消化液と呼ぶ液体が発生します。鹿追の場合で、年間3万トン。これは液肥として使えるので、町内の酪農家や、近隣の農家に販売することで、収入増にもつながっています。
実は、3万トンという量は大規模な耕地が広がる北海道でこそ、消費できる量です。本州でバイオガス発電をやろうとしても、これだけの液肥を販売する先がなく、かえって廃棄物処理としての費用がかかってしまいます。
また、センターが出来る前まで酪農家はふん尿を堆肥にして、牧草地にまいていました。
しかし、その匂いは強烈で、町周辺の観光客から苦情が来ていました。

鹿追町には、鹿追ライディングパークという乗馬体験ができる施設があり、町内にも乗馬トレッキングコースを設けています。町の道路には「馬の道」「馬横断注意」などの標識もあり、「乗馬のできる町」として観光に力を入れ始めていました。
ふん尿を発酵させて液肥にすれば、匂いは改善されます。観光の町としても大きなメリットでした。

メルセデスの試み。アマゾンの農業支援

バイオマス発電 に関する記事