国の政策はどこまで普及?

「バイオマス・ニッポン総合戦略」を掲げた日本のバイオマス政策ですが、決して順調に推移しているとは言えません。その経過を見てみましょう。

課題が見えてきたバイオマス政策

2002年から始まった、バイオマス・ニッポン総合戦略は、地域資源を利用して発電の燃料や製品とするプロジェクトでした。バイオマスタウンも2010年度末まで318地区を選定し、補助金も支給しています。
しかし、成果は思わしくありません。バイオマスタウンなどで作られた施設の行政評価によると、71.7%が赤字であることが判明しました。事業の持続性や効果に大きな問題があることが浮き彫りとなりました。

明らかになった問題点

燃料調達
バイオマス発電が太陽光発電と風力発電と大きく異なるのが、エネルギー源です。太陽や風があれば発電できるのと違い、バイオマスでは燃料を調達する必要があります。広域に少量が存在するバイオマス資源は、収集のためのコストがかさみます。必要な量を安い価格で、持続的に調達することができるかが、大きな課題です。
木質バイオマス発電事業では、新しい補助制度を利用しても5000kw以上の発電所ならば、設備投資額と売電収入が見合うターニングポイントと言われています。

森林資源のイメージ写真

しかし、この規模の原料を国内で持続的に調達することは困難です。地域の林業は衰退しており、周辺地域でバイオマス事業計画が乱立すると木材供給はさらに困難となります。仕方なく、海外からの木材に頼らざるをえませんが、為替変動リスクが伴うため、事業計画そのものが見直さざるを得ないことがあります。

エネルギーの効率的生産と利用
エネルギーの効率的利用は、一般企業にとって至上命題です。ところが、バイオマス発電事業にはその命題が生かされていないケースがほとんどです。発電設備を大型化しても、発電効率は20%台がやっとです。つまり、残りのエネルギー80%弱は熱として排出されます。

発電所の写真

この熱エネルギーを有効に使えれば、効率は格段に上がります。そのためには、熱を必要とする設備、例えば食品加工工場などが隣接する必要がありますが、これまでの発電計画にそういった発想はありませんでした。

バイオマス事業、現状の課題

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