メルセデスの試み。アマゾンの農業支援

メルセデス・ベンツがブラジルで農業廃棄物を利用し、高付加価値化することで森林の再生・保全を手がけています。地元雇用の創出や環境ビジネスの実現に成功しています。

ココヤシ繊維から自動車部品

ダイムラー・クライスラー社の子会社、メルセデス・ベンツ・ド・ブラジル社は、アマゾン河口部にあるマラジョ島にあるプライヤグランジ村の協同組合と自動車部品の原料供給と加工についての契約を結んでいます。

マラジョ島は九州よりも広い面積を持ちます。プライヤグランジ村の人口は200人ばかりで、ココヤシ農園がありました。当時はトラクターが持ち込まれ、加賀肥料を大量に投入する近代農業が導入されていました。
ところが、熱帯の激しい雨で土壌の有機質が流され、水はけの悪い荒地になっていました。ココヤシの生産性が落ち、村民が貧困に陥っていました。

やしの木の写真

そこにブラジル大学パラ連邦大学の「アマゾン貧困撲滅環境計画(ポエマ計画)」のスタッフが訪れ、村民に「アグロフォレストリー」を勧めました。これは畑を単一品種で埋めるのではなく、多種類の野菜、果樹、樹木などを植え込み、天然の森林を真似た農園を作る方法です。
ココヤシの間にバナナ、さらにオレンジ、アセロラ、マホガニーなどを植えました。
こうして荒地だった農地が緑に覆われ、2年もするとココヤシも3~4倍の実をつけるようになりました。
このポエマ計画の出資者の一つが、メルセデスでした。

合理的判断による参画

メルセデスが注目したのはヤシがら素材の活用でした。

ドイツには厳しい廃棄物の処理規則があり、化学合成品を使用すると、メーカーに廃棄物処理責任が課せられます。償却しても有害ガス対策が必要で、埋め立てにも処理、用地取得費用がかさみます。
ヤシがらを使えば、焼却しても炭素と水素になるだけで、有害物質は発生しません。埋めても土に還ります。リサイクルも可能なので、原材料費も低減します。

ヘッドレスの写真

なにより、ヤシがら製のヘッドレストは、化学製品に比べコストが安く、機能的にも優れていました。ブラジル・ベンツ社は、シートや内装などにもヤシがらを活用しています。

バイオマスを本格導入したメルセデス

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