メタン発酵は生物の働きで進む反応

バイオマスからエネルギーを得るための手段として、メタン発酵があります。
有機物であるバイオマスが、無酸素状態で多くの微生物によって分解されます。その時に発生するメタンガスを利用します。

常温常圧で進むのが特徴

有機物と多種多様の微生物が存在し、嫌気性(無酸素)、温度が5℃~70℃以上でpHが中性の条件で自然と有機物は分解されはじめ、最終的にメタンが生成されます。
廃棄物の埋立地などでは、人為的な操作がなくても、自然とメタン発酵が起きます。生ごみや下水汚泥などには多糖類やたんぱく質、脂質が多く含まれます。大量に発生する下水汚泥などで、総量の減量化のために昔からメタン発酵が利用されてきました。

食べ残しの写真

木質系バイオマスの場合、含水率が低いため、自然乾燥後に燃焼させてエネルギーを得ることができます。しかし、食品廃棄物や畜産廃棄物、下水汚泥などは含水率が高く、これらを燃焼させてエネルギーを取り出すためには乾燥工程が必要になります。このため乾燥のためのエネルギーが相殺されるので、効率の良いエネルギー利用ができません。
このような高含水率のバイオマスからエネルギーを回収するために、メタン発酵が適しています。

メタンガスの利用法

有機ゴミから発生するバイオガスの組成は、メタンが55~70%、二酸化炭素30~45%、硫化水素0.02~0.04%となっています。腐食性のある硫化水素を除去したのちに、燃焼させます。

発電所の写真

利用法としては、ボイラ燃料として熱利用、ガスエンジンによるバイオガス発電があります。最近の技術として、燃料電池への利用が試験されています。得られたメタンを脱硫し、水素を改質して取り出し、燃料電池の燃料として利用します。発電した熱はメタン発酵槽の保温に利用するなど、トータルのコージェネレーションシステムが可能です。
メタン発酵の場合、発酵に時間がかかり、汚泥、食品廃棄物などが大量に収容できる発酵槽が必要となるため、どうしても広い敷地が必要となります。そのため、敷地が郊外となりやすく、廃熱利用施設や電気需要のある施設と遠くになりやすくなります。
郊外の大型食品加工場などに併設するような使われ方が望ましくなります。

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