ミニ地域冷暖房を活用した山形県最上町

山形県から木質バイオマス先進地区へ。
人口9000人の町全体の取り組みが、日本で最先端の地区へ変貌しました。

伐採から熱利用まで町の中で循環システム

山形県では金山町、真室川町で木質バイオマスエネルギーの利用が盛んでした。

樹木伐採の写真

遅れてスタートした最上町は、林業・木材関連産業の再構築と、町が民間に払い下げた1240haの牧野造林地帯の活用が狙いでした。

民間でバイオマス産業の育成を促進し、間伐材の伐採から運送に至るハード、ソフト両面からの技術開発や、木材産業による地産地消システムを構成してきました。

町の中心部には、中央公民館、保育所、中学校や商店、住宅の密集地があります。
ここにある、町立病院、老人保養施設、福祉センター、グループホーム、健康センター、トレーニングジムなどからなる、「ウェルネスプラザ」を中心に一体を、木質バイオマス利用に転換したプロジェクトでした。
特に町立病院の集中治療室、救急処置室など高い信頼性が要求される冷暖房にも挑戦しました。

難点は搬送装置

導入したボイラーはスイス製で、高含水率のチップも燃焼させることができます。
これに吸収式冷凍機を組み合わせて冷暖房に対応しました。ところが、思わぬ課題に悩みます。

町内にあるチップ生産ラインでは、木質チップを繊維状にします。この材料を燃焼炉に運ぶには、コンベア式の供給機構が用いられますが、最上町ではスクリュー式の供給タイプを持っていました。

温度管理メーターの写真

筒状の中でスクリューが回り、原料を燃焼炉へ運ぶこのタイプは、繊維状のチップは燃料づまりを起こしていました。
実際に試験運転した際、ボイラーに原料が供給されない事態が起こりました。
これを、搬送装置の接合角度と深さを改良することで、解消しました。
木質バイオマスの導入には、どれだけレベルの高い燃焼炉があっても、原料の搬送設備、といったローテク技術でのトラブルも多いのです。

最上町では、今後も伐採した小木も原料として利用できる技術開発を進め、町の密集地には地域熱供給システム、分散地には分散型システムの普及を目指しています。今では、木質バイオマス利用の先進地となっています。

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