バイオマス発電推進の理由

2006年に日本政府が「バイオマスニッポン総合戦略」を推進するのには、こんな背景がありました。

バイオマスを燃焼することで放出される二酸化炭素は、植物の成長過程で光合成により大気中の二酸化炭素を吸収したものと判断されます。そこで、燃焼させても二酸化炭素の排出を増加させることにはカウントされません。

バイオマスの種類である、食品廃棄物、建築資材、森林資源、稲わら等を利用することは、京都議定書のルールを遵守するために政府が取った政策でもあります。

京都議定書対策

現在、日本にはバイオマス系廃棄物がどれだけあるかと言うと、原油換算にして、

  • 廃棄系  3280万キロリットル
  • 未利用系  660万キロリットル
  • 資源作物  620万キロリットル

合計にすると、4600万キロリットルとなります。

しかし、この量にしても、日本の一次エネルギー消費量の8~10%にしかなりません。それでも、京都議定書のためには有効な政策になると考えられました。

木材資源のイメージ写真

1990年の日本の二酸化炭素排出量は、炭素換算で2億8890万トンでした。京都議定書では2012年までに1990年の排出量より6%削減するのが目標でした。

ところが、2005年までに実際には13.4%増加して3億2750万トンと、目標より5590万トン多くなっていました。
1990年から2005年まで日本も経済成長を続けています。そのため、一次エネルギー消費量で19.3%も増加していました。それだけ、石油、石炭の消費量が多くなっているのですから、二酸化炭素排出量も減るどころか、増えるばかりです。

省エネ対策

この間、省エネ家電、エコキュート、LED、液晶テレビ、太陽電池など、多くの新しい省エネ技術も開発されてきました。省エネ大国でもある日本ですが、それでも二酸化炭素排出量の削減は容易ではありません。

先ほどのバイオマス利用による原油換算削減量、二酸化炭素排出量は下表のようになり、2005年の目標値の半分をバイオマスが削減できることになります。

バイオマスの年間賦存量

原油換算量 4600万kl
二酸化炭素排出削減量 約3000万t

これが、バイオマス促進の大きな理由です。劇的な省エネ技術を開発するより、バイオマスを利用するほうが6%削減に大きく近づくのです。

京都議定書対策とバイオマス発電

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