バイオマス 液体燃料技術BTLの課題

ガソリン、軽油代替燃料として実用化が期待されるBTL(Biomass to Liquid)ですが、商用化にはまだ多くの課題があります。

木質チップの写真

ガス化のタール対策

BTL用のバイオマス素材としては木質チップが扱いやすく、400℃ ~600℃ で熱分解します。
ここで、水素と一酸化炭素の合成ガスが生成されますが、ガスにはタール分が含まれます。
熱分解はチップの投入量によって、温度変化が多く排出するタールの量がシステムの系をふさぐまでになり、除去するための工程が必要になります。
また、熱分解の熱源は石油などを燃やすとコスト増になるため、やはり木質チップなどの燃焼熱を利用するのですが、温度制御が難しい課題あります

FT合成で効率よく燃料を生成するには、合成ガスの組成は水素:一酸化炭素=2:1が望ましいと言われています。
しかし、燃焼炉の温度が大きく変化すると、ガス組成が安定せず、FTプロセスに移りにくいのも難点です。また、工程には脱硫工程も必要になり、プラント全体がどうしても大きくなってしまいます。

FT合成の課題

触媒反応であるFT合成は、合成ガスと触媒を一定条件で反応させなければなりません。
250℃~350℃の高温、8~10気圧の環境が必要となります。この場合、高圧管理の資格者が必要となり、人件費に跳ね返ってきます。
こうしたエネルギーの収支を見ると、現実には厳しいものがあります。
熱分解で高温のエネルギーと精密な制御が必要で、FT合成でも高温、高圧にするためのエネルギーが必要です。つまり、投入する木質の持っているエネルギーを液体燃料に変えるために、たくさんの外部エネルギーが必要となります。

給油する写真

そのため、作られた液体燃料のコストを計算すると、現状のガソリン、軽油価格にはとても対抗できません。
もともと、第二次世界大戦下のドイツで完成されたFT合成で液体燃料を作成しましたが、戦後石油が流通するようになると、ドイツ国内でも衰退した技術でした。

従って、BTLが実用化するには、まだまだ多くの技術革新が必要でしょう。

バイオマス発電 に関する記事